フランス菓子のオススメのお店は?と聞かれて、即答するのが『オーボンビュータン』です。
スイーツ激戦区・自由が丘からほどよい距離感の尾山台で40年以上前から営業する老舗です。
その味を求めて日本全国からスイーツファンが集まるお店はいつ訪れても行列覚悟の人気店で、名物メニューは午前中に完売してしまうこともよくあります。
今回はそんなオーボンビュータンのケーキ・チョコレート・焼き菓子をご紹介します。
目次
AU BON VIEUX TEMPS(オーボンビュータン)とは
オーボンビュータンはオーナーシェフ・河田勝彦さんが1981年、尾山台にオープンさせたパティスリーです。
河田シェフは日本でフランス菓子がまだ珍しかった1967年、22歳のときに渡仏、10軒以上のお店で修行を積み28歳で『ヒルトン・ホテル・ド・パリ』でシェフパティシエを務め帰国しました。
帰国後、尾山台にオーボンビュータンを開店します。
河田シェフが8年の歳月をかけて、フランスで学んだ伝統的なスイーツが並ぶ店内は圧巻です。
AU BON VIEUX TEMPSはフランス語で『思い出の時』という意味です。所狭しと並ぶ綺麗なケーキたちを見てお客さんが感動するような瞬間になってほしいと思いを込めて付けられています。
2015年には同じ、尾山台に拡大移転していて、リニューアルオープンをきっかけに2人の息子さんも加わり、次男・力也さんが得意とするシャルキュトリ(ソーセージ・ハムなどの食肉加工品)の取り扱いも始めています。
店内奥にはランチを頂けるスペースがあり、絶品シャルキュトリを頂けるとあって、こちらも行列が出来ています。
(2023年11月追記)
令和5年秋の褒賞で、河田勝彦シェフが黄綬褒章に選ばれました。東京都では18人選出されたうちの1人となりました。
ケーキメニュー
2023年3月に食べたおすすめメニューをご紹介します。
オーボンビュータンのケーキはアルコールを使っているものが多いです。
アルコールの濃度は商品名の右上に付いている▽マークに「A」と書かれたサインが目安になります。
濃度の薄いものから白・黄色・赤と順番にアルコールが強くなります。
これは河田シェフがフランスで食べて感動した本場の味の影響から来ていて、この作り方こそオーボンビュータンの特徴ともいえます。
アルコールが苦手な方は▽マークのついていないメニューをチョイスしましょう◎
オーボンビュータン
店名の同じ商品名の代表メニューです。
滑らかなカスタードと甘く煮込まれた洋ナシのコンポート、そしてポワール酒(洋ナシから作ったリキュール)がたっぷりとかけられています。
持ち帰って、箱を開けた瞬間にぶわっとお酒の香りを感じるほど濃厚に使われたリキュールこそオーボンビュータンの特徴です。
表面にはカリっと焼かれたキャラメリゼが載っていて、優しく溶けるカスタードとの相性抜群。
お酒好きな方にピッタリなので、甘いものが苦手な男性にも喜んでもらえる一品です。
シュー・パリゴー
サクッと食感のシューの中にはねっとり濃厚なクリームがぎっしり詰まっています。
見た目はザクザク系のシューかな?と思いましたが、意外と想像よりは柔らかいです。
それがクリームによく合います。
本当は大きいサイズを食べたかったのですが、開店1時間も経っていないうちに完売していて諦めていたとき、小さいサイズが登場しました。
ショーケースに並んだ瞬間に迷わず2つオーダーしました。
小さいサイズがあると知らなかったので、待っていて良かったです。
バルケット・セゾン
季節のフルーツが色鮮やかに盛り付けられた小舟型のタルトです。
タルトの外側はサックリと焼き上げられ、内側に敷き詰められたクレームダマンドはしっとりしています。
どちらも控えめな甘さで、フルーツの甘酸っぱさがより際立ちます。
アリ・ババ
フランス伝統菓子の一つ『サバラン』も河田シェフの手にかかると、ラム酒がたっぷり染み込んだお酒の芳醇な香りを纏う特別なものになります。
ブリオッシュ生地にフォークをさすと、じゅわじゅわっとラム酒があふれ出てきます。
その中には特製クリームがぎっしりと入っています。
トッピングされたオレンジピールのほのかな苦みと、レーズンの甘みもラム酒漬けされた生地の良いアクセントになっています。
【食べログ百名店に5回選出されている目白 “エーグルドゥース”の記事はこちら】
焼き菓子メニュー
手土産に人気のクッキーや郷土料理のお菓子がお店入り口付近に並びます。
カヌレ
材料はシンプルに小麦粉、卵、ラム酒にバニラを加えて作っています。
外側はカリっと、中はもっちりしていて王道のカヌレです。
お酒を使うケーキの多いオーボンビュータンですが、このカヌレは洋酒の風味を楽しめる程度のアルコールで食べやすいです。
サイズが小ぶりで手土産にも良さそうですね。
タルト・シトロン
タルトとメレンゲを絞った部分しか見えていないのですが、中身はレモンのプディングが入っています。
滑らかなメレンゲクリームとほどよく酸味の効いたレモンの風味が最高に合います。
タルトの香ばしさも重なって、まさにプロの技の詰まった焼き菓子。
美味しすぎてついつい家族の分まで食べ過ぎてしまいました。
これは購入して当たりでした。
ピティビエ
何層にも重なった軽いパイは口に含んだ瞬間、贅沢なバターの香りが鼻を抜けます。
サクサクで香ばしいパイの中身のアーモンドクリームはしっとりしていて、これまた甘さが上品です。
フランスの伝統的なお菓子ですが、日本ではなかなか見かけないので、是非ご賞味あれ。
ガレット・バ・ブルトンヌ
ブルターニュ地方を代表する伝統的なクッキーです。
アーモンドを使った厚みのあるクッキーは、ほろほろでどこか懐かしい味。
大きめサイズなので、半分に割ってお友達と分けても良いですね。
このサブレが敷き詰められたクッキー缶をもらったら、嬉しさのあまり声が出なくなりそうです。
ショコラ・モエルー
外側がしっとり、中にはとろーっと半熟のようなチョコレートが忍んでいます。
ビターで濃厚なチョコレートを活かした上品な焼き菓子です。
チョコレートメニュー
購入したのは、ほとんどガナッシュを使ったショコラです。
ガナッシュは、チョコレートをベースに生クリームを合わせ、滑らかに仕上げたもので、口当たりがとても良いです。
フレーズキャラメル
とろーっとしたキャラメルとイチゴを使ったガナッシュ。ホワイトチョコの層もあって優しい味わいです。
真っ赤なハートはバレンタインデーにもピッタリです。
ノワ
くるみの形のショコラは半分ずつ色が違います。
濃い色はビターチョコレート、薄い色はミルクチョコレートになっていて、中には優しい甘みの蜂蜜ガナッシュと大きなクルミが入っています。
チョコレートが大きく食べ応えがありますが、クルミの食感がほど良くてあっという間に食べてしまいました。
ラタン
ミルクチョコレートで薄くコーティングされた中身はプラリネでした。
プラリネの魔術師・パトリック・ロジェのショコラを食べたばかりなのに、同じくらい美味しいものに出会ってしまいました。
オレンジ風味にキャラメリゼされたヘーゼルナッツの食感が至福のときを演出してくれます。
ロジェは一年に一度しか味わえないので、都内で美味しいプラリネを発見できたのは嬉しかったです。
テ・シトロン
ライムと紅茶を使ったショコラです。
手に取ったときはそこまで紅茶の香りはしませんが、口に入れた瞬間にふわーっと漂うから不思議です。
紅茶好きな方には絶対オススメしたい名品でした。
ベルガモット
上品な柑橘の香りを出すのに使われるベルガモットのショコラです。
かすかに感じる皮の苦みと、ふんだんに溢れる爽やかな風味が特徴で、大人の男性にも喜んでもらえそうなスッキリした味わいです。
待ち時間はどれくらい?
筆者は週末、土曜日のオープン直後10時半に尾山台店に到着しました。
その時点で5組ほど並んでいて、最後尾に加わりました。(誘導係の方はいませんでした)
10時50分に入店することができたので、待ち時間は20分でした。
オーボンビュータンは予約できる?
オーボンビュータンのケーキは予約可能です。
尾山台店と日本橋店で予約方法が違うので注意しましょう。
尾山台店
尾山台店はケーキや焼き菓子など前日まで予約可能(電話・店頭)です。
イートインスペースは営業していますが、座席の予約はできません。
イートインスペースでのランチメニューは一時休止されています。
(2023年4月現在)
イートインを利用する場合、店内のショーケースに並ぶ商品を選んで食べることができます。
日本橋髙島屋店
日本橋髙島屋店ではケーキ・焼き菓子・シャルキュトリを取り扱っています。
チョコレートは取り扱っていません。
日本橋髙島屋店でも予約は可能(電話・店頭)ですが、いくつか注意点があります。
予約ができるのはケーキと焼き菓子だけで、水曜日だけは受取予約ができません。
また尾山台店は前日まで予約可能なのに対して、日本橋髙島屋店は予約できる日が定まっていません。筆者が予約可能か確認したときは、1週間後だったら受け付けてもらえました。
前日に予約をしたい場合は、尾山台店にお願いした方が確実です。
新幹線のおみやげ
一時期twitterで話題となったのが、JR東海の東海道新幹線の車内販売で取り扱っているプティフールセック(税込720円)です。
東京-新大阪間を走るのぞみ・ひかり号のみで販売されるオーボンビュータンの焼き菓子セットをインフルエンサー「ナンシ スイーツ(@nanshisweets)さん」が取り上げたことで、それまで知る人ぞ知る存在だったクッキーが世間に知れ渡ることになりました。
この投稿の後、幻のスイーツとなりJR東海パッセンジャーズは、「一部の列車で品薄状態が続いている」と発表しました。
聞こえますか…
— ナンシ スイーツ(nanshi sweets) (@nanshisweets) October 2, 2021
これから新幹線で移動される方へ
この呪文だけ、覚えておいてください…
車内販売が来たら、
「あの、オーボンヴュータンのクッキーありますか」
こちら、焼き菓子好きなら、
東海道新幹線で必須の呪文となります…
運が良ければ、表には案内のない
小さなクッキー箱が出てきますよ… pic.twitter.com/4Fk0ec5kC7
贈答品
オーボンビュータンではお祝いなどのギフトや、そのお返しの内祝いなども注文できます。
缶入りの焼き菓子セット『プティ・フール・セック』は大・中・小の3種類があります。
大 | 税込8,100円 |
中 | 税込5,500円 |
小 | 税込3,800円 |
その他にも、自分で好きな焼き菓子を選んで箱に詰めてもらうことも出来ます。
筆者は出産祝いのお返しをオーボンビュータンで用意しました。
頂いたお祝い金の半返しで用意したくて、お店にご相談したところ、親切にご対応いただけました。
通販
オーボンビュータンは通信販売(オンライン・電話・FAX)を行なっています。
通販できるのは、焼き菓子セットとシャルキュトリー詰め合わせです。
店舗
オーボンビュータンは2023年4月現在、東京都に2店舗あります。
尾山台店
東急大井町線「尾山台駅」より徒歩5分
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】火曜日・水曜日
【支払い方法】現金・クレジットカード
専用駐車場はありませんが、提携駐車場(タイムズ尾山台第2駐車場)を利用して、店内で税込1,620円以上お買い物をすると、割引券がもらえます。
日本橋髙島屋店
東京メトロ銀座線「日本橋駅」B1出口より徒歩1分
JR各線「東京駅」八重洲北口より徒歩5分
【営業時間】10:30~19:30
【定休日】不定休(百貨店営業日に準ずる)
まとめ
フランス菓子の老舗『オーボンビュータン』の尾山台本店に行ってきました。
予想はしていた通り、到着したときには長蛇の列でしたがお店に入ってみると焼き菓子の甘い香りが漂う素敵な空間でした。
今回はそんなオーボンビュータンのおすすめメニューや、待ち時間・予約方法をまとめました。
本場フランスの歴史を感じるスイーツを是非食べてみてください◎
他にもおすすめのパティスリーや絶品スイーツを記事にしていますので、是非読んでくださいね。
【目白駅から歩いて10分の行列店”エーグルドゥース”のショートケーキのレポート記事はこちら】
【オーボンビュータンで修行して独立した井上佳哉シェフの青葉台ピュイサンスの記事はこちら】
【創業139年、銀座”空也”の名物もなかを予約する方法をまとめた記事はこちら】
今回も最後までお読みいただきありがとうございました/
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